2015
02.24

マインドフルネス瞑想とは

 

辞書によると、瞑想とは「目を閉じて心を静め、無心に

なって想念を集中させること」となっています。 瞑想

の方法や目的は多様なものがありますが、深いリラックス

と高い覚醒が共存する特殊な意識状態であるといわれて

います。

 

最近の瞑想研究では、仏教をルーツに持ち、現在も世界

各地で実施されている瞑想を、次の3つのタイプに分類

しています。

  フォーカスアテンション瞑想

心を落ち着かせて現時点に集中させ、気を散らさず

に注意力を保つ能力を養う瞑想

  マインドフルネス瞑想又はオープンモニタリング瞑想

現在の感情・思考・感覚に対する情緒的でない

『気付き』を涵養して、感情・思考・感覚が制御

できない精神的苦痛を避ける事を目指す瞑想

  慈悲の瞑想

仏教の伝統で慈悲や慈愛として知られる、利他的な

態度を養うための瞑想

 

2つ目のタイプで、現在マインドフルネス瞑想と呼ばれ

ているのは、伝統的な初期仏教(テーラワーダ)の瞑想法

か、またはそれを応用したものです。このテーラワーダの

観瞑想(ヴィパッサナー瞑想)が基盤となって発展したと

考えられています。

 

それが医療や心理療法にも応用されるようになって、

マインドフルネス瞑想と呼ばれるようになりました。

 

マインドフルネス瞑想は、特定の対象に注意を集中する

のではなく、瞬間瞬間に心の中に去来するすべての現象に

意識を向けて気づきを持続することを中核としています。

瞑想の実践は、坐禅に似た姿勢での正座瞑想という形で

おこなわれることが多いです。

 

その際には、呼吸に合わせて動く腹部の動きや鼻を通過

する息の感覚に注意を向け続けることで、とかく思考だけ

に捉われがちな状態を抑制していきます。練習としては、

身体感覚・知覚・感情・気分・思考・想起など今の全ての

の体験を、自分のイメージの中にある心の鏡やスクリーン

に映っては消えていくものとして観察するというような

内面の作業として示されます。

 

仏教瞑想としてのマインドフルネス瞑想は、瞑想修行を

通して宗教的な悟りを得ることを目的としています。

しかし、心理療法でおこなうマインドフルネス瞑想では、

まずは全ての現象を観察し、それらが変化し続けるもので

あることを実感することによって、思考や自己イメージへ

の捉われに気づく事を目的とします。その上で、感情や気分

に流されずに今の心の状態を充分に体験し、評価判断せず

に受け入れていく事を目指しています。

 

今、何が心の中に去来したとしても、それらと闘ったり

逃げたりせずに、あるがまま受容することにより、「今、

ここ」での安心や充足を得るという心の持ち方を、瞑想の

中で体得し、日常生活の中に取り入れていく事を目標と

しているのです。

 

では、「今、ここ」に気づくとはどのような事かを考え

てみましょう。

私たちが外の世界を認識する最初の入口は感覚です。

人間は母親の胎内にいる時から五感を通して様々な刺

を受け、それらを統合しながら外界を認知して学習して

いきます。大人になった私達も、感覚器官から膨大な量の

刺激や情報を入力しています。

しかし、私たちは胎児や赤ん坊のようにはそれらの刺激を

受け取ってはいません。それは、私たちの中に既に多くの

反応や体験が学習されているからです。

視覚で例えれば、初めて何かを見た時に生じたような純粋

な画像ではなく、即座に何らかのレンズを通して見たよう

な変形し修飾された画像となって認知されるのです。

 

マインドフルネスを実践する事は、私達が自分の現在の

経験を認識する際のプロセスを、できる限り詳細に辿って

みようとする試みであるともいえるでしょう。
しかし、
私達が完全に感覚経験だけを取り出して観察する

ことは困難です。なぜなら、そこには即座に感情や思考が

自動的に現れてくるからです。

そこで、まずは「今、ここ」での自分の経験として感覚に

意識を向けながら、そこに現れてくる感情や思考も観察

対象の一つとして捉えていきます。

その過程の中で、私達が現在の体験を変形させて認識して

いる物の捉え方や認知のパターンにも気づいていく事が

できると考えられます。

 

このようにして、自分の「今、ここ」の体験を捉えて

いく際に重要となる意識の状態がマインドフルネス瞑想

の中で得られると考えられます。

マインドフルネスストレス低減法では、この瞑想を実践

する際の心構えとして、創始者のカバットジンは次の七つ

の事柄をあげています。

 ①  評価も判断もしないこと

  じっと我慢すること

  初心を忘れないこと

  信頼すること

  頑張らないこと

  受け入れること

  手放すこと

これらの態度を培うことをとおして、寛容さ、感謝、

自制、思いやり、慈悲、共に喜ぶこと、平静さなどの

他の要素も育つとされています。

 

これらの実践がテクニックに留まらず、自己理解を

深めるとともに心理療法として応用されるためには、

瞑想の体験についての振り返りも重要です。
それには、
脳や体の反応としての側面、心の働きの
側面、生きて
いく意味という側面での、洞察と理解
が必要となる
でしょう。










 


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