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マインドフルネスは、仏教語のサティを英訳したものです。
英語で「気をつける」「注意を払う」という意味の”mindfull”
から派生した”mindfulness”が訳語として使われました。
20世紀後半から現在も活躍する禅僧であり平和活動家の
ティクナット・ハン氏が、その活動の中心となるものとして
この言葉を使った事で、欧米を中心に世界中に広まったとも
いわれています。
マインドフルネスという言葉は、漢訳では「念」の英訳で
あり、日本語では「気づき」と訳されることもありますが、
そのままカタカナで表記される事が多いようです。
マインドフルネスとは、「対象について価値判断を加えずに、
中立的な立場で注意を払う事」とされています。これは、
仏教修行の基本の一つである瞑想を実践する際に、とても
大切にされる心の使い方です。
仏教瞑想には、“止”と“観”があり、どちらも心の観察法
と考えられています。
“止”はインドのヨガの伝統の中でできてきたものです。
これは、心を1つの対象に結び付け、その働きを静める方向に
進む観察で、心に何も浮かばない完全に静かな状態を目指します。
一方、“観”は、ヴィパッサナーとも呼ばれ、釈尊が見出した
観察法で、心を様々な対象に振り分け、様々な状態に気づいて
いくという方法です。
これは、今の瞬間に心身に生じているすべての現象、感覚や思考、
感情等に注意を向けて、あるがままによく観察していくという
心の使い方です。
これを「今、ここに気づいている」というように表現することも
あります。
マインドフルネスは、主にヴィパッサナー瞑想を実践する時に
中心となる心の持ち方です。
現在、仏教系瞑想を指してマインドフルネス瞑想と呼ばれる事
が多いですが、それをベースとした瞑想法を取り入れた心理療法
もマインドフルネスと呼ばれるようになっています。