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2015
03.19

脳科学とマインドフルネス


脳研究から見たマインドフルネス

 

 瞑想の脳への影響について、欧米では近年多くの研究が進められてきました。

 

研究方法としては、脳波・自律神経活動・脳内神経伝達物質などを指標として脳の生理学的変化を捉えようとするものがあります。脳波を指標とする研究では、前頭部を中心としたα波やθ波の増加が報告されています。自律神経活動としては、副交感神経の賦活や交感神経の抑制および血圧・脈拍の低下などが認められています。また、脳内神経伝達物質の変化としては、セロトニンやドーパミン神経活動の賦活などが指摘されています。

 

様々な研究結果から、瞑想時にはリラックスの状態を表すα波が出現する事が分かっていますが、瞑想の種類や深まりによっては、θ波が優位となる場合があることが示されています。θ波は通常、睡眠の初期のまどろんでいるような状態で多く現れる脳波ですが、近年の脳波研究では、θ波には非常にリラックスした状態でありながら高い覚醒を保っている時に出現するものがあると考えられています。そして、無意識のひらめき、記憶、至福感等に関係しているとして研究され、心理療法や音楽療法への応用も進められているようです。さらに、瞑想時には交感神経や副交感神経の自律神経活動が調整されますが、これはドーパミン神経やセロトニン神経の活動が活発になるためだと考えられています。

 

ドーパミンは神経伝達物質として働き、運動の制御や集中力・意欲・快感などの精神活動に関係していると考えられています。ドーパミンの不足は無気力やうつ症状をもたらし、パーキンソン病の原因とされています。これが過剰な状態では、発話や運動のコントロールができなくなり、統合失調症の陽性症状を引き起こす他トゥレット症候群・強迫症状・依存症の原因になるともいわれています。

セロトニンは、主にドーパミンやノルアドレナリンの活動を調節していますが、睡眠・覚醒・食欲・性欲などにも関係しており、不安を緩和して精神の安定を図る物質と考えられています。これが不足すると、うつ病・不安障害・睡眠障害を引き起こすといわれています。

瞑想時にはドーパミンやセロトニンの神経活動が適度に活性化され、バランスのとれた穏やかな精神状態が生み出されると考えられています。

 

瞑想の脳への影響についての研究には、CTやMRI、fMRI、PETといった医療機器を用いた脳画像の研究もあります。

欧米の研究によると、瞑想時に関わる脳の部位として以下の3つのグループがあると考えられています。

  遂行機能に関係する前頭前野

  知覚イメージに関係する頭頂後頭葉

  背内側前頭前野を含む内側前頭葉・内側頭頂葉・線条体というグループ

これらの神経回路にドーパミン系の制御が影響して、

自己観察という心的機能を促進させている事が示唆されています。また、瞑想実践を長期に継続する事で、脳内神経の可塑的な変化により、脳の機能や構造の持続的な変化までが引き起こされる可能性があるとも指摘されています。

三つ目の背内側前頭前野は、扁桃体と相互連絡する前頭前野内側部に位置しています。ストレス学説では、扁桃体は情動の中枢として重要な部位で、ストレスを受けると扁桃体では情動反応として主に身体反応のプロセス記憶が蓄積されます。この扁桃体システムによる情動記憶は発達の早期から形成され、消去できない記憶と考えられています。ストレスが長期化すると、扁桃体に蓄積された記憶が活性化される事が知られています。特に不安障害やうつ病などの精神疾患では、扁桃体の病的な過活動が制御できない状態となります。前頭前野は、このような扁桃体の過剰反応を抑制する働きをもっている事がわかっています。

 

以上のように、瞑想の実践を継続する事は、前頭前野の機能を強化し、不安を軽減して精神機能を安定させる可能性も秘めているといえます。

 

さらにもう一つ、マインドフルネスとの関連で注目されているのがデフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれる神経生理システムです。DMNは、私達が意図的で積極的な思考や行動をしていない時、つまり雑念や空想などが浮かんでいるような自然発生的で非意図的な状態にある時の認知機能を統括しているシステムです。これは、今までは脳機能の停滞した状態とみなされていましたが、現在では脳機能のベースラインになっている活動であり、自己概念の統合や注意集中の水準と関係していると考えられています。DMNは、内側前頭前野皮質・内側側頭皮質・前部および後部帯状回・下頭頂小葉・楔前部などの脳部位と関わっており、これらの部位はマインドフルネスが関係する領域と重なっているとされています。不安定なDMN活動は注意集中に支障をきたし、様々な精神障害とも関連しているとする研究もあります。

マインドフルネスの実践はDMNの活動を安定させ、注意散漫の防止になるとともに、メンタルヘルスにも寄与すると考えられているのです。










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