2015
12.09

呼吸法 (要約法)



では、しばらくゆっくり呼吸か自然な呼吸に注意を向けていきます。お腹や鼻等、呼吸の感覚が一番良く感じられるところに注意を向けると良いでしょう。注意が安定しないと感じる時は、しばらく呼吸を数えるのも一つの方法です。吐いて吸って一つ吐いて吸って二つと数えながら、十までいったらまた一に戻ります。もし、注意が呼吸からそれてどこか別の方に向いていると気づいた時は、その瞬間に心の中にある物を観察し、また呼吸に戻ります。タッチ&リターンの要領で、観察したものは評価せず、あるがまま、そのままに受け止め、注意を呼吸に戻していきます。

呼吸が安定してきたら、まず自分の心のイメージを作ります。それは、今意識されているすべての物を映し出す「鏡」や「スクリーン」または、意識される物を受け入れ、包み込む「器」や「海」などのイメージです。自分の心に沿ったイメージを作ります。これは意識の野と言っている心の場所です。ここに映し出された物を、作用と対象という見方で観察していきます。対象は、映像や音、思考や感情など、様々な心理現象の内容です。それが今、心の鏡に映っています。そして、それらを作り出しているのが意識の作用です。作用には、見る、聞く、考える、感じる、などがあります。今心の鏡に映っている対象は、全てがそのような作用の働きによって作り出されたものです。
この作用を制御しているものを意志作用と呼んでいます。そして、この意志作用を働かせているのが自分です。対象は自分ではありません。映像や音が自分ではないように、思考や感情も自分そのものではありません。心の深い所にいて、それらの対象を観察するという意志作用を働かせているのが自分です。深い所の自分を感じながら、呼吸法を続けます。今呼吸法をしようと意志作用を働かせている自分を自覚しています。

では、呼吸法を続けながら、今ここの自分の状態がどうなっているのかを観察していきます。最初に、今何か考えているかどうかをチェックしてみましょう。考え込んでいる最中には、考えている事さえ自覚しない事があります。考えが途切れた時、今考えていた、と自覚する事は大切です。思考の内容が何であるかを観察したら、その思考をストップする事を試します。思考は評価せず、作用が作り出した結果として受け止め、そのままにしてまた呼吸に意識を戻します。

では、ここで注意を自由に使う練習をしてみましょう。私達は、辛い思考や感情が心の鏡に映ると、それに意識が集中し過ぎて囚われ苦しむ事があります。心の鏡に映るものを全て平等に観察し、そのまま受け止めて、自分の価値や願いの方向に意識を向けていくためには、自由に注意を使うことが必要です。
それでは、注意の分配を意識して練習してみます。
まずは、見る事に意識を向けていきます。今、目の前に見えるものが、心の鏡に映っています。映った物は対象です。見るという作用がそれらを映し出しています。呼吸にも注意を向けながら、見る作用が働いて見えている対象を作り出している事を意識しています。評価をせず、ただそのまま見ています。

次に、今聞こえる音にも注意を向けてみます。音の響きも、心の鏡に映し出されているとイメージします。意識的に、近くの音、遠くの音、聞こえてくるすべての音に注意を向けています。音は対象です。聞くという作用が作り出している事を意識しています。評価をせず、ただ聞いています。呼吸に注意を向けながら、同時に見る、聞く作用を働かせていることを自覚しています。

では今度は、注意の移動を意識して練習してみます。
最初に、見ることに特に意識を向ける事を試してみましょう。そして、少ししたら、今度は聞くことへと注意を移動してみます。

しばらくの間、ご自分のペースで注意の分配、移動を意識しながら呼吸法を続けます。注意がそれたら、何にそれたか観察し、また呼吸法に戻ります。

さて、呼吸に意識を向け続ける事は、「今」という時間に私達をつなぎとめてくれます。私達は、いつも「今、ここ」に生きています。過去の事を思い出しているのも、未来の事を心配しているのも今です。
自分、「今」という時間、「ここ」という場所が一つです。意識が過去や未来にさまよってしまっている事に気づいたら、また呼吸に戻ります。「今、ここ、自分」を意識しながら呼吸法を続けます。

呼吸法を続けながら、心の鏡に次々に映る心理現象、感覚、感情、思考、気分、症状など、それらが現れた瞬間に、それが何であるかに気づく事ができるか試してみます。
今、心の鏡に何か映っていたら、それを観察して短く名前をつけましょう。この時、作用と対象とを区別して観察します。今、どんな作用が働いた事によってどんな対象が現れたか、言葉にしてみます。

もし繰り返し現れる心理現象があるならば、ニックネームをつけても良いでしょう。特定思考がある場合も同じです。押し込めたり、逃げたりせずに、そのまま観察します。そして、その関係性についても観察してみます。それが現れる直前に何があったか、そこから何か引き起こされたか、または現れるパターンがあるのか等、少しの間その連鎖についても観察してみます。

もしも、特定の行動への欲求が起きた時には、それをしたらどうなるだろうか、価値崩壊か、価値実現かという、その行動の結果を推測する事も試してみましょう。
しばらく観察を続けたら、また穏やかに呼吸に戻ります。

さて、呼吸法をおこなっている最中に、感覚、想起、思考、感情、症状などが映り、もしその背後にそれらに影響をおよぼしている、または原因となっている本音に気づいた時は、それも観察し、短く名前をつけてみましょう。嫌悪、逃避、疑い、不信、無理解、執着、嫉妬など、自覚できたら、それもあるがままに観察しています。そして、評価を下さず、感情や思考と同様にしばらく観察したら、また呼吸へと、価値や願いの方向へと意識を戻していきます。

最後に、何か特定の方法を試すというのではなく、ただ呼吸と観察を続けます。全てのものをあるがままに見て、観察し気づいていきます。そして、何かの心理現象に捉われてしまう事なく、深い自分を見つけ穏やかな場所で安らぎましょう。

どのような状況にあろうとも、「今」、「ここで」、私達の人生は展開しています。
そして、呼吸法で練習した自己洞察の実践を、日常の行動時に広げていきましょう。









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